神宮で広島斬りも 巨人が復活ヤクルト由規に渋い顔なワケ
巨人は複雑だろう。
7月24日の中日戦で1786日ぶりの勝利を挙げたヤクルトの由規(26)が、4日の広島戦で6回を3安打無失点。7四球と制球に苦しみ、毎回のように走者を得点圏に背負いながら、しかし、決定打を許さなかった。首位の広島から“金星”を挙げ、5年ぶりとなる本拠地のお立ち台。一瞬、声を詰まらせ「神宮のマウンドに立って勝つことだけを考えてリハビリをしてきた。勝てて良かったです」と語った。
由規のおかげで、試合のなかった巨人は広島とのゲーム差を6.5に縮めたが、ヤクルトと8試合を残す巨人にとっても、厄介な投手が復活したことになるわけである。
「由規の巨人戦通算対戦成績は、08年から故障するまでの4年間で6勝10敗、防御率3.86。巨人が特別に分が悪いわけではありませんが、キレのあるスライダーと荒れ球に『やりにくい相手』と顔をしかめるナインが当時は結構いましたからね」(巨人OB)
この日、2安打を放った女房役の西田は何度も「とにかく由規さんを勝たせるために」と口にしていた。右肩を痛め、育成契約に“降格”しながら、丸4年も苦しいリハビリをしてきた由規の登板時には、ヤクルトナインが一丸となるプラスアルファもあるから、巨人にとっては厄介ではないか。