ナイジェリアとの“ドツキ合い”に乗ったマネジメントに疑問
日本五輪代表選手たちも、頭の中では分かっていたはずだ。アフリカ系選手独特の体の動きだったり、体の入れ方だったり、そして「届かない」と思ってもスッと伸びてくる長い足──。
きちんと対応できていなかった。ボールを奪われ、奪えないことが「恐怖」となり、判断スピードも鈍っていった。こうしたことが重なり、単純なミスを繰り返した。リードされ、追い付いた時のチームマネジメントに疑問が残った。
取られた、取った、の繰り返しで“ノーガードのドツキ合い”みたいになったが、0―1から同点に、1―2から同点に追い付いた時、「試合を落ち着かせる」ことが必要だった。彼我のフィジカルの差を思えば、ドツキ合いは絶対に避けなければならなかった。
我慢して、とにかく我慢して、ナイジェリアの攻撃をはね返すことを第一に考えるべきだった。同点の時間を長く保つことで、試合の流れを引き寄せたかった。同点に追い付いた! よし! リードしてやるぞ! で守備がもろくなり、点差が広がっていった。
劣勢の中、4点を奪ったことは評価できる。1―2から同点弾を決めたMF南野は、さすが唯一の海外組だった。サイズの大きな選手に慣れていたし、プレー精度も高かった。ゴールの場面も落ち着いていたね。