“奇策”で20年ぶり快挙 女子陸上5000m上原美幸が決勝へ
驚異的な「逃げ」を見せた。
16日、リオ五輪陸上女子5000メートル予選に出場した上原美幸(20)が1組で7着(15分23秒41)に入り、全体の14位で決勝進出を果たした。同種目で決勝に進むのは、96年アトランタ五輪で4位(15分9秒05=当時の日本新)に入賞した志水見千子(46)以来、20年ぶりの快挙だ。
他の選手たちの出方を見ながらスパートをかけていくレース運びが定石とされる中、上原はスタートから勢いよく飛び出すと、最初の1000メートルは3分を切るスピードで快走。同じ組にいたケニアや米国の強豪選手を置き去りにし、2位とは約13秒の差をつけた。3500メートル付近で後続に追いつかれたが、自己ベスト(15分21秒40)に迫る好タイムでゴール。レース後、「自分の持ち味は粘りだと思っているので、とにかく粘り倒しました。後ろを気にせず自分らしい走りができました」と振り返り、「闘争心をむき出しにして、カッコイイ走りを見せたかった。前に出ることを恐れず、果敢に攻めていけた。こういうレースは二度と味わえない。スタジアム全体の歓声を肌で感じて楽しみながら走っていました」と語った。