五輪V4逃すも人気絶大 吉田沙保里の引退を阻む周囲の思惑
去就に世界が注目している。
24日、リオ五輪後半に行われたバドミントン、陸上などの選手が帰国し、一部選手を除くメダリストが会見。女子レスリング53キロ級で4連覇を逃し、銀メダルに終わった選手団主将の吉田沙保里(33)は「自分は残念な結果だったが、ここにいる選手たちが過去最多のメダルを獲得したことはうれしく思います」と総括した。
リオで敗戦後、栄和人強化委員長からはコーチ就任を打診されたといわれるが、吉田は「これから先のことは、ゆっくり考えたい」と従来通り、現役続行か引退かは明らかにしなかった。
吉田はこれまで五輪3連覇、世界選手権13連覇を成し遂げ、レスリング界を牽引してきた。女子レスリング界の第一人者だけに、その去就は、本人の一存だけでは決められない。
「引退も頭をよぎるようになった」と話すなど、マットを離れることも示唆している。しかし、本人がやめたくても周囲がそれを許さないのが現状だ。
女子レスリングは、吉田と五輪4連覇を達成した伊調馨(32)の2人の存在感は絶大だ。国内はもとより、世界のレスリング界にも影響力を持っている。リオでは決勝で敗れたとはいえ、その実力は世界ではまだまだトップクラス。元女王が引退すれば、世界選手権、W杯といった国際大会の放映権料の下落、スポンサー収入の激減につながる可能性もある。