錦織が全米8強進出 高速サーブ“解禁”でマリーに挑む
「錦織の欠点といわれる第1サーブの時速は180キロから、せいぜい190キロ。それでもロジャーズ杯では脇腹をかばうため、ワイドにスピンサーブなどを織り交ぜたことが奏功した。速いサーブがなくても工夫次第で、得意のラリー戦に持ち込んで戦えるという自信を得たのは収穫でしょう。今回もここまでは脇腹への負担が大きい高速サーブをほとんど使っていませんから」
なるほど、今大会の1回戦は35歳の大ベテラン、ベッカー(世界ランク97位)で、2回戦は予選から勝ち上がった20歳のハチャノフ(同95位)。その2回戦は雨天中断の助けもあった。3回戦のマユ(同42位)も右手首に故障を抱えていた。相手が相手だから、高速サーブを使うまでもなかったということだ。
しかし、ここからは違う。
次戦以降は格上との対戦となる。錦織自身も今のままでは到底通用しないことが分かっているからこそ、「そろそろギアを上げる」必要があると考えている。速いサーブも使ってプレッシャーをかけなければ苦戦すると思っていることが、冒頭の発言につながったのだ。
▽錦織のコメント
「今週で一番のプレーだった。特にリターンが冴えて、2回ブレークできた。(準々決勝は)タフな試合になると思うので、体を整えてしっかり準備したい」