前代未聞の質疑応答 ハリル監督vs記者“舌戦”の一部始終
例えば、欧州のサッカー強国では、試合後の記者会見などで代表監督と報道陣との意見が食い違い、怒鳴り合う場面も珍しくないが、予定調和の国・日本で罵り合うようなシーンなんて皆無だった。29日までは――。
この日は10月のW杯アジア最終予選(10月6日・イラク戦=埼スタ、11日・オーストラリア戦=メルボルン)の代表メンバーが発表され、質疑応答の時間に“事件”が勃発した。
最終予選初戦のUAE戦(9月1日)の敗因として欧州組のコンディション不良、合宿期間の短さなどを引き合いに出しながら「言い訳をしていると書かないように」とハリルホジッチ監督が連発。そもそもスポーツ紙が2戦目タイ戦の前に「選手に『笑顔を見せるな』とハリルが強制した」と書いたことに腹を立て、しかも自分の住んでいるフランスの地元メディアが、記事を引用して報じたことに憤然としていたハリルホジッチ監督は、わざわざ会見途中に「事実と違う」とぶぜんとしながら吐き捨てた。
そのスポーツ紙の記者が応戦。「言い訳にしか聞こえない」と言い切った瞬間だった。怒りモードにスイッチが入ったハリルは「その意見を言えるだけの能力をアナタは持っているのか?」と言い放ち、「これからもアナタは皮肉なジョークを言い続ければいい」とまでまくしたてた。