世界に遅れる日本マラソン 派遣枠縮小示唆のナンセンス
日本陸連の長距離・マラソンを統括する河野匡ディレクター(56)は13日、さいたま国際マラソンが終わった直後、来年の世界選手権(ロンドン)の派遣枠について言及。「3枠を必ずしも埋めるわけではない」と縮小する可能性を示唆したことで、関係者の間から疑問や批判の声が上がっている。
さいたま国際は、那須川瑞穂(36)が2時間33分16秒で日本人最高の5位だったが、陸連が世界選手権への派遣設定記録としている2時間22分30秒には10分以上も遅れた。
世界のマラソン界は、スピードもスタミナもあるアフリカ勢が席巻。陸連の設定記録(男子は2時間7分)さえクリアできない選手を世界選手権に送り出しても惨敗は見えている。リオ五輪の代表選考で唯一設定記録内で走った福士加代子だって日本人トップでも14位だった。
派遣には高額な経費がかかる。必ずしも男女それぞれ3人を送り出す必要はないというのはひとつの考えではあろう。しかし、それを言うなら長距離・マラソン強化戦略プロジェクトのリーダーの瀬古利彦氏(60)は、「今の選手は練習量が足りない」と言うだけでなく、画期的かつ具体的な強化プランを披露するべきだ。「派遣枠縮小」で選手を脅したところで記録は伸びない。