綱とり挑む豪栄道に望み 琴桜や三重ノ海も酷評された過去
「大関は陥落直後の場所で2ケタ勝てば、元の地位に復帰できる。三重ノ海もそんな大関特例に助けられた一人でしたが、持病の肝臓病が悪化し、左足首のケガも思わしくない。『また大関から落ちたらどうしよう』と怯えもあったそうで、相撲内容もすっかり萎縮してしまった。師匠の出羽海親方(元横綱佐田の山)が叱咤しなければ、あのまま大関で終わっていたとしても不思議ではない」(ベテラン記者)
ちなみに関脇陥落を経験し、横綱に昇進した力士は三重ノ海の後にも先にもいない。
ダメ大関ではないが、近年は武蔵丸(現武蔵川親方)も「大関止まり」と言われていた時代があった。大関在位32場所は琴桜と並んで横綱昇進者の中では最多。カド番は一度もなく、優勝も3回したが、好き放題に飲み食いを続けていたせいか馬力が2場所続かない。武蔵川親方(上記の三重ノ海)が「節制しないと横綱は無理だ」と注意し、ようやく99年に2場所連続優勝を果たした。
そうした過去の例に倣えば、豪栄道が昇進できないとは限らない。酒を断って体調に気を使うさまは、武蔵丸を彷彿させる。短命横綱に終わるか否かを語るのは時期尚早ではあるが……。