綱とり挑む豪栄道に望み 琴桜や三重ノ海も酷評された過去
先場所初優勝を果たし、綱とりに挑んでいる大関豪栄道(30)。角界には「これまで安定した成績を残せていない。昇進しても短命に終わるのでは」という懸念もあるが、そもそも今場所優勝しないことには話にならない。
近年は稀勢の里が何度も綱とりに挑戦しながら、ことごとく失敗。2場所連続優勝というプレッシャーは、それだけ大きいのだ。大関としては安定した成績を残している稀勢の里ですらはね返されたのだから、いわんや豪栄道をや、という声が出ているのも当然だ。
しかし、過去にはダメ大関と呼ばれた者でも横綱に昇進した例はある。その最たる力士が琴桜だ。大関在位32場所で優勝5回とはいえ、2ケタ勝ったのは半数にも満たない15場所。ケガも多く、当時から「ポンコツ」「ウバ桜」などと揶揄されていた。それが現役最晩年の72年に悲願達成。32歳2カ月での横綱昇進は年6場所制以降の最年長記録として、いまも破られていない。
■関脇陥落から横綱に昇進した三重ノ海
三重ノ海もやはり、前評判を覆して頂点に上り詰めた横綱の一人だ。76年に大関になったはいいが、直後の場所は8勝7敗。続く2場所は左足首の捻挫の影響で途中休場し、関脇に落ちた。