綱取りへ白星発進 豪栄道は「華がない」から連覇への期待
「あの男」の二の舞いはなさそうだ。13日に初日を迎えた大相撲11月場所。綱とりを目指す大関豪栄道(30)は栃煌山を一方的な相撲で下し、順調な白星発進となった。
先場所は全勝で自身初優勝を飾った豪栄道。今場所連覇なら悲願の横綱昇進だが、気がかりなのが琴奨菊(32)も同じ境遇だったことだ。
今年1月場所で初優勝するとイベントやバラエティー番組に出ずっぱり。本人は「相撲をもっと知ってもらうため」とうそぶいていたが、新妻の隣でにやけているのだから説得力はゼロ。浮かれていたのは誰の目にも明らかだった。稽古不足で満足な調整もできず、翌3月場所は8勝7敗と勝ち越すのが精いっぱい。
■黙々と相撲道に邁進
ある放送関係者は「その点、豪栄道は大丈夫です」と、こう続ける。
「テレビもそれほどオファーを出していませんからね。明るく人懐っこい琴奨菊に比べて、豪栄道はこれといったキャラクターがないし、新婚のようなエピソードがあるわけでもない。黙々と相撲道に邁進する力士というだけでは、テレビ的には弱い。いわゆる『華がない』力士です。横綱昇進ならオファーが殺到するでしょうが、現時点ではこんなもの。さほど多くないテレビからの出演依頼も、本人と親方の意向でほとんど断ったと聞いています」
豪栄道にとって初優勝はただの通過点。「(みんなと)一緒になって騒いでもしょうがない」と話し、周囲の喧騒をよそに稽古で汗を流していた。九州入り後も酒席を断ち、調整を優先させている。
テレビには向かない男だからこそ、連覇の望みはちょっぴりありそうだ。