福岡国際もローカル大会に 日本マラソンが陥る“負の連鎖”
12月4日号砲の福岡国際マラソンは、来年8月の世界陸上(ロンドン)の男子マラソン代表の選考会を兼ねている。来年2月の東京、3月のびわ湖毎日を含めて日本人1位となり、リオ五輪代表選考の派遣設定記録よりも30秒も遅い2時間7分0秒を突破すれば、即代表に決まる。だが、現状で2時間7分を切れる日本選手はいない。
宗茂・猛兄弟や瀬古利彦、中山竹通らがしのぎを削った80年代は、国内レースでもテレビ中継の平均視聴率は40%を超えることもあった。
今はどうか。ある陸連関係者がこう言った。
「かつては、ボストンか福岡かといわれていたものです。それが今は、ローカル大会になってしまった」
リオ五輪代表の選考レースだった昨年でも同9.9%、一昨年は同7・6%(ビデオリサーチ調べ)と、さらに低調だった。
00年の今大会では、藤田敦史(当時24)が、前年のベルリンで犬伏孝行が出した2時間6分57秒を6秒更新して優勝。さらに02年のシカゴでは、高岡寿成が2時間6分16秒(日本最高記録)をマークした。以後、日本選手は2時間6分台の時計を出していない。