レアルと鹿島の決定的な違いはスピードだ
クラブW杯決勝で強豪レアル・マドリード相手に善戦して「世界2位」となった鹿島アントラーズ。レアル相手にまずはしっかり守り、ここぞという局面で攻撃のギアを上げ、ゴールを予感させるようなカウンターを仕掛けていった。
選手全員が自陣に引きっぱなしの専守防衛だったら、あそこまでレアルのゴールには近づけなかった。レアルの名前にひるまないで勝負を挑んでいき、レアルに計30本のシュート(ゴール枠内12本)を打たれたが、鹿島のシュート計11本(枠内5本)も悪くなかった。
明らかに格上の相手に対して鹿島はうまく守ったし、効果的な攻撃も見せた。W杯や五輪で日本代表が成績を残せないでいるが、鹿島の戦いぶりは参考になるだろう。
クラブW杯での鹿島の奮闘は大きな声で称えたい。ただし――。
テレビやスポーツ紙の「鹿島が世界2位」には違和感を覚えてしまう。
あくまでオセアニア代表、アフリカ代表、南米代表クラブを破って決勝に駒を進めた鹿島が、レアルに負けて「クラブW杯」という大会で2位になっただけ。世界中に何万と存在するクラブの「2位」に位置しているという意味ではない。