アジアV平野美宇も中国で覚醒 有望選手に海外修行の勧め
その瞬間、会場が静まり返った。
女子卓球の平野美宇(17)は卓球のアジア選手権(中国・無錫)シングルス準々決勝で、世界ランク1位でリオ五輪個人・団体金の丁寧(26・中国)を破ると、準決勝では同2位、決勝も同5位の中国選手に3-0のストレート勝ちで優勝。日本勢としては、96年の小山ちれ以来、21年ぶりの頂点に立った。
リオ五輪で補欠だった平野は、昨年10月のW杯(米国)を大会史上最年少となる16歳で制覇。同月には中国スーパーリーグに参戦し、中国全土を転戦。強豪相手に10戦して3勝を挙げた。平野はこの武者修行で、自分に何が足りないのかを知り、中国選手と生活することで手が届かないと思っていた強敵たちとの距離も縮まったという。
平野が中学1年で入校したJOCエリートアカデミーは、将来、五輪などの国際大会で活躍できる選手を育成するために日本オリンピック委員会(JOC)が設置した組織だ。
学校の部活や地域のクラブチームとは全く別の、「国営トレーニング場」での技術指導や栄養管理なども身になっているわけだが、2020年に東京五輪を開催するこの国では、現場では信じられない指導が今も行われているのだ。