アジアV平野美宇も中国で覚醒 有望選手に海外修行の勧め
それだけではない。「国内スポーツを取り巻くおかしな環境もまだまだ改善されていない」と、スポーツライターの武田薫氏がこう指摘する。
「選手は近年、プロ化や国際的な動きに敏感です。一方、競技団体の幹部はそれがわかっていないし、わかっていても変化に対応できない。例えば、日本のテニス協会には、大ざっぱに学校派とクラブ派があり、代表の強化を巡って対立してきた。世界のプロツアーの現場を知らない学校派の者が協会の要職に就いている。低迷しているマラソンは、実業団の駅伝重視が常に問題視されながら何も変わっていない。国内のマラソン大会のバックには新聞やテレビがついているので、五輪の選考レースも大胆な改革ができない。実業団は選手の移籍にも縛りがあり、会社や指導者の嫌がらせに泣く選手もいるのです」
■学閥や指導者による嫌がらせも…
実業団の陸上選手は、所属するチームの退部証明書が交付されなければ移籍できない。つまり、円満退部でなければ移籍先で実業団主催の大会に出場できない。この点について大学箱根駅伝で3連覇した青学大の原晋監督は、「職業選択の自由があるのだし、選手が指導者を選べない制度はおかしい」と改革を求めている。