全仏に備えジョコ戦を棄権 錦織圭“敵前逃亡”の賢い決断
「賢い決断」かもしれない。
錦織圭(27=世界ランキング8位)は12日、マドリード・オープン(スペイン・クレーコート)準々決勝の直前に右手首の負傷を理由に棄権した。
錦織は直後の会見で、「(前日の)3回戦の後に少し(患部が)悪くなってしまった。来週(のイタリア国際)も出場したいので、リスクを避けるために棄権した。全仏オープン(28日開幕)が一番大事なので回復に努めたい」と説明した。
この日の相手は、世界2位(第2シード)で連覇を狙うノバク・ジョコビッチ(29)。昨年の全仏初優勝でキャリア・グランドスラムを達成した強敵だ。錦織とジョコの過去の対戦成績は2勝11敗。昨季は6戦全敗で、イタリア国際の第1セットしか取れなかった。13度目の対決となったツアーファイナル準決勝もたった66分でやられた。
今年のジョコはやや調子を落としているものの、体調万全の錦織でも勝機を見いだすのが難しい相手。右手首に痛みを抱えている状態で勝てるはずがない。
昨年のマドリード・オープンはジョコに敗れてベスト4。準々決勝で棄権すれば昨年と比べて獲得ポイントは減るが、戦って負ければ同じこと。敗戦濃厚のジョコ戦で無理をして、来週のイタリア国際(マスターズ1000=昨年ベスト4)や全仏に出られなくなれば、世界8位の錦織にとってはそちらの方がはるかに痛い。ツアープロなら当然の選択だったか。