変則間隔の菅野が9勝目 巨人は先発淘汰で“失業者”続出
巨人のエース・菅野智之(27)が首脳陣のムチャ遣いに応えた。
中4日だった前回から11日のヤクルト戦に中5日で登板。7回を5安打無失点と危なげない投球で8三振を奪った。これでリーグ単独トップの9勝目(4敗)。その前は中4日で勝っている。強さを見せるエースに高橋由伸監督(42)は「中4日、5日と変則になってしまったけど、いい投球をしてくれた」と最敬礼。菅野も「疲れているけど、そんなことも言っていられないチーム状況なので」とお立ち台で汗を拭った。
前日は田口が中5日で8勝目を挙げた。日本球界では先発投手が6人で登板間隔を6日間あけるのが普通だが、これなら6人も必要ない。そもそも、借金7で5位の巨人にそんな余裕はなく、間隔を詰めれば、菅野、田口、マイコラスの「先発3本柱」を数多く投入できるのだ。
原前監督時代の14年に中5日制を本格的に導入したことがある。この時、原前監督は「中5日だと厳選された柱が5人って感じになる。6人で回すと弱さを感じる人が中には出てくるんだよ」とその効果を説明していた。尾花投手コーチが一軍担当に就任した15年オフ、「週6試合として先発全員が1カ月に1回、中4日で投げれば、5人を中5日で回せる」と持論を展開していただけに、“原ローテ”が後半戦に復活する可能性が出てきた。
菅野が中4日にも5日にも動じないことで先発枠を減らせれば、6人目に位置する内海、大竹、FA加入の山口俊あたりの当落線上の投手たちは、自然と淘汰される。エースがフル回転して勝てば勝つほど、職を失う投手が出てきそうだ。