弱点減り有力候補も不在 早実清宮「12球団1位」へ一直線
転機は昨秋の東京大会決勝で、日大三のドラフト候補左腕・桜井から5打席連続三振を喫したこと。ボール球になるスライダーにことごとく手を出した教訓から、体の開きを意識するようになったという。和泉実監督は試合後、「ああいう打撃(逆方向)が出始めると、彼本来のものが出てくる。これで徐々に良くなってくる」と目を細めた。
清宮周辺では早大進学説が根強いが、「次第に弱点が減って進化している。『進学』なんて言い出しにくい雰囲気にはなってきた」と前出のスカウトはみている。
プロ球団の評価もうなぎ上りで、ドラフト1位指名の最多重複記録を塗り替える可能性まであるという。
これまでの最高は89年の野茂英雄(新日鉄堺)と90年の小池秀郎(亜大)の8球団。
つまり9球団以上が清宮を1位指名するかもしれないということだ。
■巨人は“雑音封じ”が狙い
しかし、だからといって、清宮が高卒ルーキーながら3割30本をマークした清原和博や、後にヤンキースで4番を打った松井秀喜クラスの選手かといえば疑問。「多くの球団は実力プラス人気と話題性で1位というのが掛け値なしの評価でしょう。高校時代の清原や松井が持ち合わせていたような下半身のパワーやキレは感じられないし、本格的なトレーニングも足りないとみている球団が多い」と、あるセ・リーグ球団の編成担当者がこう言った。