リーダー不在に茂木の足 楽天の急降下を招いた“個人主義”
坂道を転がり落ちている楽天。急降下の要因は主軸の故障、助っ人3選手の不振に加えて、前半戦のキーマンだった茂木栄五郎(23)の故障が大きい。
6月に右ヒジ骨挫傷で二軍落ちすると、復帰後も調子が戻らないまま。先月31日にスタメン落ちして以来、6試合出場機会なし。久々の出番となった今月8日は代打起用。足も売りのはずなのに、DHとして起用される試合も増え、12日の日本ハム戦でもDHだった。本人はこう話す。
「復帰してからもバッティングは(良かった時期の)4割くらいしか出せていません。原因は足ですね。故障したのはヒジですけど、思い切ったスイングができない日が続いて、そのせいで足にも影響が出てきた。それ以来、打ってもこれまでやっていたように全力で走れない。塁に出ても(盗塁などで)走れないのは歯がゆいです」
前半戦はイケイケだった楽天打線。しかし、勝てなくなった途端にパタリと勢いが止まったのは、「個人主義」の選手が多いことも一因かもしれない。
「嶋がリーダー的な存在ではあるけど、バッテリーというか投手陣中心。野手に関していうと、銀次も松井稼頭央も言葉でナインを鼓舞するわけじゃない。背中で引っ張るタイプだからね」(球団関係者)
当の銀次も、「みんなを集めたり、話し合ったりということは特にしない」と話す。
“個人でノビノビ”といえば聞こえはいいが、チームが落ち込んだときに、全体を見渡して流れを変えられる真のリーダー不在が響いているというのだ。