CS敗退食い止める好投 楽天岸を奮起させた西武との“因縁”
古巣をねじ伏せた。15日のCSファーストステージ第2戦。初戦を落として後のなくなった楽天を、FA右腕が救った。先発の岸(32)が七回途中、3安打無失点と好投。無四球の8奪三振と完璧な内容だった。
「初回から全力。交代と言われるまで、全力で投げました」(岸)
移籍1年目の今季、岸は前半戦で7勝を挙げながら、後半戦は1勝止まり。7連敗でレギュラーシーズンを終えた。それでも首脳陣の信頼は変わらず、当然のように用意されたCS先発の大役。「ここで勝てなきゃ何をしてるんだ」と意気に感じたというが、これこそが西武を出る理由のひとつだった。
■球団のフロントが「この日までに決めてくれ」
岸は昨季、初めてのFA権を取得。しかし、球団側は残留交渉もそこそこに、「チーム編成が遅れるから」と早期決断を迫ったと報じられた。
「FAは今後の野球人生を左右する重要な問題だから、熟考して当然。にもかかわらず、球団のフロントは『この日までに決めてくれ』と、タイムリミットの期日まで切った。結論をせかすばかりの球団の姿勢は、エースに対する配慮も何もなかった。愛着のある西武と地元球団の楽天の間で揺れ動いていた岸が不信感を抱くのも当たり前だった」(球団OB)