黒星発進、連続休場…稀勢&鶴竜に懸念される“同時引退”
もう珍しいシーンではない。
横綱稀勢の里(31)は初日、平幕玉鷲(32)に押し出された。立ち合いが合わず4度目で成立。組むのを嫌う相手に何の攻め手も見せられず、最後は喉輪を受けて押し出された。この日は名古屋場所5日目以来となる、122日ぶりの本場所復帰だったが、痛い黒星スタートとなった。
もともと左差ししかできず、相撲はうまくない。体格とパワーに任せた相撲で相手を圧倒してきた力士だ。それが左上半身のケガで、得意の左からの攻めは衰え、左足首まで痛めた。思うような稽古ができなければ平幕にとっても怖い相手ではない。
NHKでテレビ解説を務めた元横綱の北の富士勝昭氏は稀勢の里について、「不安で不安で相撲が取れる精神状態じゃない」と言い、過去9勝1敗と相性が良かった玉鷲に押し出された取組を振り返って「こういう負け方をしていると、明日からがお先真っ暗とはいわないけれど、ちょっと心配。足腰が弱ってきている」とも話した。
横綱鶴竜(32)は右足首負傷などのため、4場所連続、今年5度目の休場となった。復帰すれば進退を懸けての土俵となる。稀勢の里も大阪場所で2度目の優勝を飾ったものの、その後2場所は途中休場、先場所は全休した。今場所も黒星続きで途中休場すれば、こちらも厳しい立場に追い込まれる。