“脱・省エネ”で混合初V 伊藤美誠が不振からの成長語った
「ちょっと試合が多すぎた」
そう笑ったのは、伊藤美誠(17)。18日、全日本卓球選手権で午前中だけで森薗政崇(22)と混合ダブルスで準決勝と決勝を戦い、初優勝。午後からは早田ひな(17)と組んで女子ダブルスに出ると、ベスト16に進出。その2時間後にシングルス初戦に臨んだ。この日4試合すべてストレート勝ち。対戦相手を圧倒した。
多くの選手が複数種目にエントリーするものの、伊藤も「(ここまで試合が多いのは)久々だった」と少し疲れた様子。「体力を温存したい」と話したが、19日も最大で4試合に出場する。
伊藤は自身を「省エネ卓球」と言う。身長は150センチと小柄。左右へ揺さぶられると体力の消耗が激しいため、なるべくコートの中央でボールをさばくスタイルを続けてきた。しかし、これまでのやり方を変えなければならないと思うときがきっと来る。そう思うきっかけはリオ五輪後に陥ったスランプだった。
日刊ゲンダイの記者に伊藤がこう言った。
「五輪が終わってから、頑張っても頑張っても成績が出なくてつらかった。そこから練習内容をガラリと変えました。今思えば、自分が伸び悩んでいたおかげで、練習を変えないといけないことに気付けたのかな。特に足を動かすフットワークの練習を増やしました。今までそういう練習をしてこなかったんですけど、たくさんの種目に出ると疲れも出てくる。スタミナ強化とトレーニングの一環として足腰を鍛えたら、体つきも変わってきた。動くようになって体重が減っちゃうので、(練習の)合間にパンやご飯を取っている。この1年で、精神面でも体力面でも強くなれました」
昨年は4月にアジア選手権で混合ダブルス準優勝、ワールドツアーではシングルスで優勝2回。変化は進化となって結果に表れている。