「開会式で死者」にも現実味…極寒の平昌はいまだ混乱中
「カル・パラム」(刀で刺されたような痛い風)、「コチュ・パラム」(唐辛子のように辛い風)。韓国ではこう表現するほどの極寒だ。ソウルは最低気温がマイナス12度。アイスアリーナのある江陵ではマイナス15度。9日の開会式は平昌五輪スタジアムで夜8時から。当初は屋根のあるドーム型も検討されたが、経費などの問題から屋根なしの構造となり、当日の気温がマイナス15度以下なら、体感温度はマイナス20度にも下がると予想されている。人間が長時間いられる所ではない。
昨年11月には、ここでK―POPアイドルのコンサートが行われ、5人が低体温症で病院に運ばれた。気温は5度でも、屋根のない競技場に冷風が吹き込み、寒さに耐えながら公演を観覧していたことが原因だった。
前回のソチ五輪では最低気温がマイナス2・7度。史上最悪の寒さの中での開会式となるのは確実だ。寒さに慣れているはずの韓国の記者でさえ「何人かの死者が出るのは確実だ」とつぶやいていた。5日には老人に外出禁止の勧告も出たほどだから、決して大袈裟な話ではない。ちなみに、史上最も寒い冬季五輪は1994年のノルウェー・リレハンメル大会。この時はマイナス11度だった。