「スタバ事件」が象徴的 メジャーにはびこる“暗黙の差別”
ブラッド・ピットが主演した1993年の米国映画「カリフォルニア」には、印象的な場面が出てくる。
一文無しの主人公アーリー(ブラッド・ピット)は旅費を調達するため、立ち寄ったガソリンスタンドで男性の利用客を襲撃して金銭を強奪しようとする。そして、ガソリンスタンドの従業員から鍵を借りた男性に続いてトイレに入り込み、凶行に及ぶのだ。
一部で暗証番号の入力やコインの投入などが必要であるとはいえ、日本の商業施設内のトイレは基本的に施錠されていない。これに対し、米国ではファストフード店やガソリンスタンドなど、多くの施設でトイレが施錠されている。
防犯対策、さらには「飲食店は用を足すだけの場所ではない」という前提から考えれば、店側がトイレに施錠することも不思議ではない。
だが、店側の対応が人種差別とみなされかねない場合もある。
4月12日、ペンシルベニア州フィラデルフィアのスターバックスの店舗で起きた出来事も、まさに店側の対応が人種差別として非難を受けた一例だ。