監督に何より求められるのはコミュニケーションだ
「素晴らしい選手になるための近道は、まず他の素晴らしい選手の真似をすることだと思う」
昨年、ワールドチャンピオンに輝いたアストロズのヒンチ監督は、2015年の就任当初、こう言っていた。
昨年のア・リーグMVPを受賞したアルトゥーベも、彼がこれほどの選手になるとは誰も予想していなかった当時、同様のことを言っていたのを思い出す。
そして、この考えこそが、ルーノウGMがヒンチ監督を起用した理由なのだ。
野球を始めたばかりの少年少女は、誰しもヒーローに憧れ、彼らのようになりたいと願う。彼らのように打ち、投げ、走る。皆、形から入り、こぞってヒーローの真似をする。
「こうすれば彼のようにできる」
「彼に勝つためにはこうするといい」
かなり乱暴に集約してしまえば、この憧れ、その先にあるライバル心をメジャーの選手にも思い出させることこそ、今の監督の役割の大部分を占めると言っていい。