計算しっかり 対戦相手揺さぶるMLB指揮官“あの手この手”
ダイヤモンドバックスの平野佳寿がメジャー初勝利を挙げた4月8日のカージナルス戦は、序盤から大荒れの展開。二回にDバックスのロブロ監督は、球審が低めに外れたボール球をストライクと判定したことに激高。ベンチを飛び出して相手捕手のヤディエル・モリーナに、聞くに堪えない罵声を浴びせて詰め寄り怒鳴り合いに発展したため、球審から退場処分を受けた。
ストライク・ボールの判定に不服なら、球審に文句を言うのが筋だ。同監督がそれを承知で、相手捕手のモリーナにアタックしたのは、球審がボール球をストライクに見せる魔術師モリーナの術中にはまっているからで、ストライクゾーンを正常化させるには元凶の名捕手に直接プレッシャーをかけるしかないと判断したのだ。
このように、監督が相手チームの選手とやり合う場合は一見、感情に任せて暴走しているように見えて、実際はしっかり計算してやっていることが多い。策士タイプの監督の中には、ライバルチームの中から狙いをつけた選手の集中力をそぐ目的で「ルール違反」「○○疑惑」のレッテルを貼る作戦に出る者もいる。