日ハム清宮 打率1割5分でもフォームにメスが入らない理由
「不振で打撃にメス? 中堅方向に意識を持っていこうという話はしますが、そのためにこうやって肩を入れてという指導はしない。指導するのは簡単ですけどね」
24日のロッテ戦で2打数無安打に終わり、打率.150に低迷する清宮幸太郎(19)について、首脳陣のひとりはこう言う。
「もっと下(半身)を使えるようになること」など、清宮の課題は把握しているものの、あえてメスは入れないのだ。
日本ハムは育成において「自主性」を重視している。清宮の守備、走塁についてはキャンプから基本をたたき込んでいるが、あくまでプロとして最低限のもの。清宮に限らず、選手自身に課題を把握させ、それを克服させる。コーチは選手が助言を求めてきて、初めてアドバイスをするというスタンス。ただし、課題を克服するための「引き出し」は与えても、こうすべきという答えまでは教えない。清宮が試合後に打撃練習をしているのも、自主的な取り組みなのだ。
さらに1~2年目の若手については、アマ時代からの投球フォームや打撃フォームを尊重している。だからいじることは絶対にしない。そのまま成長していければそれがベストだし、選手自身が限界を自覚した時点でメスが入る。「一軍でいろんな課題が出てきた。これから自分でどう変わっていくか」とは前出の首脳陣のひとり。清宮はこの経験を自力で財産にしていくしかない。