初対決は田中に軍配 大谷を沈黙させたヤ軍の緻密な配球
全米も注目した日本人同士の対戦は、メジャー5年目の右腕に軍配が上がった。
27日(日本時間28日)、ヤンキース・田中将大(29)が本拠地のエンゼルス戦に登板。6回を3安打1失点に抑え6勝目(2敗)を挙げ、大谷に対しては2打数2奪三振、1四球。4番としての仕事をさせなかった。
田中が「今日の中では、あの1球が良かった」と自画自賛したのは六回の大谷に対する配球。ストレートで追い込み、最後は142キロのスプリットでバットに空を切らせた。
NHKの大リーグ中継で、この試合の解説を務めた元レッドソックスの岡島秀樹氏は「ヤンキースバッテリーの完勝と言えるでしょう」とこう続ける。
「この日の田中君は直球に切れがあり、決め球である変化球、特にスプリットが生きていた。ストレート系のボールでカウントを稼いで、スプリットで打ち取る彼本来の投球で勝負していました。対大谷君に関しては第1打席の初球、スプリットで入ったかと思えば、六回の第3打席は一転して直球主体で攻めたりと打席ごとに配球を変える工夫が見られました。4月27日の同カードでエース右腕セベリーノが内角の直球を本塁打された教訓を生かして、外角攻めを徹底するなど、ヤ軍バッテリーの研究のあともうかがえました。この日は失投がなく、大谷君が打てそうな球は一つもありませんでした」