8試合中7試合が W杯決勝T1回戦の接戦続きには理由がある
コロンビアなど欧米の列強国の主力選手の大半は、欧州5大リーグのトップクラブに所属している。国内のリーグ戦とカップ戦に加えて欧州CLやELを戦わなければならない。W杯の本大会を前にして選手たちは疲労のピークにあるのだ。
さらに「ナショナルチームには練習する時間が少ない」(セネガルのシセ監督)ことも、チーム戦術の浸透を妨げる大きな原因となっている。結果、大会前に優勝候補の一角と呼ばれながら、1次リーグから圧倒的な強さを見せつけたチームは少なく、いずれも僅差の接戦となったのである。
そんな中で一番完成度の高いチームが、6日の準々決勝で強豪ブラジルを打ち破り、日本を相手に3―2で逆転勝ちを収めたベルギーである。
スタメン11人はほぼ固定され、攻守のバランスの良さと高い完成度を誇っている。控え選手の層も厚く、さらには攻撃陣の中核をなしているFWルカク、MFのE・アザール、デブルイネが絶好調を維持している。
決勝に進んで優勝カップを掲げたとしても、決して不思議ではない。
(元サッカーダイジェスト編集長・六川亨)