ヒジがダメなら…横綱白鵬が“張り手”を振り回して白星発進
まさにケンカ相撲さながら、横綱白鵬(33)がいきなり「らしさ」を見せつけた。
立ち合いで玉鷲の右頬を張ると、距離を取る相手に手を焼きつつも、大きく腕をぶん回す強烈な張り手。相手の寄りであわやという場面もあったが、最後はすくい投げで玉鷲を土俵下に転がした。
白鵬は今年1月場所から、ヒジ打ちまがいのかち上げを封印。日馬富士暴行事件が起きた昨年11月場所で優勝した際、万歳三唱など好き放題やったことが相撲協会や横審の逆鱗に触れ、相撲内容も厳しく注意された。相撲には「ヒジを相手の顔面にぶつける」技がないので、当然だ。
しかし、ヒジの代わりと言わんばかりに、ここ最近の白鵬はやたらと張り手が増えた。先場所も玉鷲に張り差しを仕掛け、解説の北の富士氏に「背に腹は代えられないんでしょう」と、ため息をつかせていた。
かつて角界には張り手が得意な前田山という横綱がいた。横綱が張り手をしてはいけないという決まりはないにせよ、結局、打撃技や奇襲がなければ勝てないのが、今の白鵬だ。
支度部屋では「落ち着いて取り組んだ感じじゃなかったかな」と話した白鵬。次はどんな打撃技を見せてくれるか。