日本史上初の6冠 池江璃花子の進路は“日大より海外”が正解
ノーブレスで泳ぎ切ると、掲示板を確認し、両手の拳を握りしめた。
競泳女子の池江璃花子(18)が24日のアジア大会50メートル自由形で優勝。1大会の日本史上最多となる6個目の金メダルを手にし、「優勝できると思っていなくて、(出場した)12レースの中で一番緊張した。本当にうれしい」と喜んだ。当然、スポーツマスコミは「前人未到の6冠達成!!」と大騒ぎである。
池江はメダル獲得を期待された昨年の世界選手権で惨敗。一度も表彰台に立てず、世界の壁にはね返された。そこで、昨年11月から今年3月までに豪州での武者修行を含め、4度の海外合宿を敢行。現地の有力男子選手とトレーニングを行い、自信を取り戻した。
このアジア大会では6日間で8種目に出場。リレーと合わせて金6、銀2と出場レースすべてでメダルを獲得した。来春の高校卒業を控え、一時は日大進学に進路を絞っていたが、アメフト部の悪質タックルによる一連の騒動もあって、正式表明には至っていない。周囲には、よりレベルの高い環境を求めて、海外留学を勧める声もある。
池江が目指しているのは、レベルの低いアジア大会でメダルを量産することではない。来年の世界選手権、2年後の東京五輪での表彰台を考えれば、問題の多い日大より海外、が正解ではないか。