まだある三宅会長パワハラ 重量挙げメダリストに陰湿差別
「いちご」退社をきっかけに…
中でも、関係者が眉をひそめているのは、今月2日に閉幕したアジア大会(ジャカルタ)の58キロ級で、女子重量挙げ選手として24年ぶりの表彰台となる銅メダル獲得の快挙を成し遂げた、安藤美希子(25)に対する「嫌がらせ」である。
「安藤は20年東京五輪のウエートリフティングでメダルが期待できる数少ない選手のひとり。そのメダル有力候補は今、日本を離れて韓国を拠点にしている。もともとは三宅監督の教え子だったんです。埼玉栄高時代に頭角を現した安藤は、平成国際大学を卒業後に総合不動産会社の『いちご』に入社して、三宅会長が監督を務めるウエートリフティング部に籍を置いた。でも、記録が伸びない。前近代的な練習しかさせてもらえない三宅監督のもとでは限界があると『いちご』を退社。それからです、三宅さんが安藤を目の敵にするようになったのは。日本では満足な練習環境が得られず、韓国に信頼するコーチがいたこともあって、向こうに拠点を移したのです」
とは、事情を知る競技関係者だ。
安藤が4位に入った昨年の世界選手権では、八木かなえ(26=リオ五輪53キロ級6位)ら出場選手には、所属先の指導者が協会のコーチとして帯同が認められたものの、安藤だけはノー。競技前の検量にはセコンドが同伴することが義務付けられているにもかかわらず、それすらつけてもらえなかった。1人で検量に行かざるを得なかった安藤を見た大会の担当者に、「あなた1人なの?」と心配されるほどだったという。
ウエートリフティングは「スナッチ」と「ジャーク」の2種目をそれぞれ3回ずつ試技する。その前に選手が自分の挙げる重量を申告するため、相手との駆け引きを含めて、セコンドのマネジメントが結果を大きく左右する。セコンドがライバルの申告重量によって試技の軽重を計算するのだが、昨年の世界選手権では協会のコーチが安藤へのアドバイスをせず、事実上セコンドの役割を放棄。銅メダル獲得の可能性が残されていたにもかかわらず、安藤はそれすら知らされずに最後の試技に臨んだというからヒドイ話である。
「三宅会長は、大会で安藤の試技が始まると、『見たくもない』と言い捨て、必ずと言っていいほど席を立ってしまう。複数の関係者が目撃している有名な話です。会長がそうした安藤に対する感情を隠そうともしないから、当然、周りは忖度する」(別の関係者)
ウエートリフティングもまた、選手ファーストからはかけ離れている。