右肘手術をさせたいエ軍と避けたい大谷翔平…暗闘の全内幕
これまで海を渡った日本人メジャーリーガーの多くがTJ手術を受けているが、劇的に回復したケースは少ない。3度も手術を受けた大塚(レンジャーズ他)、松坂(レッドソックス=現中日)、和田(オリオールズ=現ソフトバンク)らは、復帰後も全盛期の投球とは程遠い状態だった。ダルビッシュ(カブス)にしても球威こそ戻ったものの、今季は右肘に新たな炎症が見つかってクリーニング手術を受けている。
そこへいくと田中(ヤンキース)はメジャー1年目の14年に右肘靱帯を損傷したものの、手術を回避して保存療法のPRP注射を選択。今季で5年連続12勝以上をマークし、いまやチームではエース右腕セベリーノに次ぐ位置付けである。
大谷がそもそも体にメスを入れることに対して消極的なのも事実だ。16年の日本シリーズで右足首を痛め、オフの手術が検討された。開幕に間に合うし、30分程度の手術だからだが、それでもシーズン後に先送り。メジャー移籍が決まってやむなく手術に踏み切った経緯がある。
本人がセカンドオピニオンを求めているくらいだから、肘が痛くて投げられないとか、靱帯が完全に切れているわけではもちろんない。それだけに手術を回避し、来季以降もできれば二刀流を継続したいのだろう。