著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

もう不毛な忖度は不要に プロOBの野球評論に新たな道が

公開日: 更新日:

 テレビを主戦場とする野球評論家は、プロ野球選手のセカンドキャリアとしては代表的な仕事のひとつだ。しかし、この道での成功とは、すなわちテレビ局にとって使い勝手の良い存在になるという側面もあるため、本来の野球評論からは逸脱してしまうことがある。

 例えば元ヤクルト古田敦也氏は2004年のプロ野球再編騒動のときに日本プロ野球選手会会長として経営陣に立ち向かい、ストライキを主導したリベラル派という印象があったが、今夏に高校野球情報番組「熱闘甲子園」のキャスターを務めているときは少々がっかりした。ご存じ、現在の高校球界には過密日程や投手の酷使などさまざまな問題が取り沙汰されているにもかかわらず、古田氏はそういったマイナス面には一切触れず、ただただ球児の激闘ぶりを美しく称えるのみ。すっかり牙が抜けてしまったように見えたものだ。

 この「熱闘甲子園」は夏の高校野球を中継する朝日放送の番組であるため、その背景を考えると高校野球のマイナス面を批判しないのは当然だろう。よって、同局から報酬を得ている出演者も番組方針に従わざるをえず、いわゆる電波芸者になってしまう。その結果、現在のテレビには野球解説者や野球タレントはいても、野球評論家はほとんどいなくなった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出