大谷“二刀流優先ローテ”が妨げ エ軍先発補強が進まぬ理由
今オフのFA、トレード市場で、動きが鈍いのが大谷翔平(24)のいるエンゼルスだ。
ここまでの補強らしい補強といえば、フィリーズからFAになったジャスティン・ボーア内野手を獲得したぐらい。今季のエンゼルスは、先発投手に故障者が続出。現状、来季の開幕に間に合うのは左腕スキャッグスら3人のみ。先発投手の補強は最優先事項ながら、後手に回っているのだ。
■ベテラン左腕の獲得に失敗
17日付の地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」(電子版)によれば、ベテラン左腕J・A・ハップ(36=ヤンキースからFA)にオファーしたものの、ヤ軍との争奪戦に敗れたという。
エンゼルスはヤンキースやドジャースほどではないにしろ、資金力はある。FAの目玉投手を獲得するのは決して不可能ではない。それでも、後手を踏んでいるのは、二刀流大谷の存在も原因のひとつだという。
「二刀流という特殊な事情がエンゼルスの先発投手補強の妨げになっているのは十分に考えられます。来季の大谷は打者に専念するとはいえ、再来年には二刀流として復活する。今季のように先発投手の中で、大谷ひとりが中6日で回っていれば、ローテーションが崩れて、他の先発陣にしわ寄せがいく。エース級の投手であれば、これまでのルーティンが狂って、難しい調整を強いられるため、エンゼルスは避けたいと考えるはずです。結果として出来高に影響する可能性もあるので、一線級の投手に不人気なのは仕方のないことかもしれません」(スポーツライター・友成那智氏)
他球団の投手からは二刀流優先のローテに疑問の声も上がっており、ドジャースのエース左腕カーショーは「他球団のことながら大変だ」とエンゼルスの先発陣に同情していたという。
エンゼルスは二刀流に理解を示す投手を探すしかない。