稀勢の里引退決断 歴代最低“36勝36敗97休”の不名誉横綱
進退に注目が集まっていた横綱稀勢の里(32=田子ノ浦部屋)が、ついに引退を決断した。
師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が16日朝、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋で報道陣に対応し、明らかにした。これで日本人横綱は不在となった。
横綱昇格後は精彩を欠いていた稀勢の里は、今場所初日から振るわず、15日には東前頭筆頭の栃煌山に寄り切られて3連敗。昨年9月の秋場所千秋楽から8連敗(不戦敗を除く)を喫した。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降では、貴乃花が1999年名古屋場所12日目から同年九州場所初日までに喫した7連敗を抜いて横綱では単独ワースト記録を更新した。横綱による2場所連続での初日からの3連敗も、1931年の宮城山以来88年ぶりの不名誉だった。
2017年1月に日本出身力士としては、3代目若乃花以来19年ぶりに横綱昇進を果たした稀勢の里。同年春場所で昇進後初優勝したが、左上腕、左足首、腰など度重なる故障に見舞われ、17年夏場所からは8場所連続休場を余儀なくされた。横綱在位12場所の取組では36勝36敗(休場97回)の勝率5割は歴代最低である。