自伝出版を連想させた稀勢の「人生に一片の悔いなし」発言
「引退後に出す本のタイトルじゃねえか? わが土俵人生に一片の悔いなし! 稀勢の里著」
「稀勢の里って『ちょ』っていう名前なんか?」
「……おまえ、めんどくさい」
「すまん」と黙る。
「自伝本を出すからと、出版社のシャッチョから言われとるんだ」
「急に書けるもんか?」
「もちろん自分で書くわけはない。どうすれば強い横綱でいられるか、頭を使った形跡のないやつが、引退した途端に本が書けるか。GWがおるんだ」
「ゴールデンウイークがどうかしたか?」
「ゴーストライター。おまえ、ほんっとめんどくさい」
「すまん」と黙る。
「きっと何度も練習したんだ。わが、わが、わがすもうじんせ~、いっぺんも食ってない。ちがう! 一片の悔いなし! そんぐらい覚えろ! わが、わが、すもうじんせ~……徹夜で覚えたな」