アマ指導者に警鐘の筒香 甲子園を主催の新聞社も痛烈批判
高校野球はエースがマウンドに立ち続けることが美学とされ、抑えれば「怪物」、打たれれば「悲運」。メディアはこぞって感動的な物語に仕立て上げ、高校野球人気を煽っている。筒香はそういったマスコミにも矛先を向けた。
「高校生が甲子園に出てやっていることは、あれは部活動です。高校の部活に大きなお金が動いたり、教育の場と言いながらドラマのようなことをつくることもある。新聞社が高校野球を主催していますので、子供にとって良くないと思っている方はたくさんいると思いますが、(メディアは)高校野球の『悪』というか、子供たちのためになっていないという思いをなかなか伝え切れていないのが現状かなと思います」
会場で聞いていた甲子園大会を主催する「新聞社」は耳が痛かったに違いない。主催の新聞社にとって高校野球はドル箱事業。朝日新聞は中高生の部活動に対する熱中症の記事を掲載しながら、昨夏の大会で熱中症患者が続出したことへの問題提起は皆無だった。
この会見後、春のセンバツ出場校が発表され、筒香の母校である横浜高は5年ぶり16回目の出場が決定。使命感に燃える野球の伝道師は、球界とメディアの間にはびこる悪しき文化も変えるか。