新コーチとは相性良し 大坂なおみ4回戦敗退も“収穫”あり
「ベストを尽くすことはできたし、後悔はしていません」
うつむきながら、しかし、表情は意外にもサバサバしていた。
大坂なおみ(21)が12日(日本時間13日)、BNPパリバ・オープン女子シングルス4回戦でベンチッチ(スイス)に3―6、1―6で敗れ、試合後にこう言った。
大坂は昨年のこの大会の覇者。新コーチのジェンキンスと初めて臨む大会で連覇を狙ったものの、直前のドバイ選手権を制して勢いづくベンチッチに完敗した。
しかし、試合中、ジェンキンスを2度もコートに呼んでジョークを飛ばすなど、新コーチとの関係が良好だったことは収穫ではないか。
大坂はコーチ不在で臨んだドバイ選手権で、コーチの必要性や重要性を痛感。当時は自分ひとりで戦っている心境だったという。日本テニス協会の吉川真司女子ナショナルコーチが臨時でヒッティングパートナーを務めたが、満足いく練習ができなかったのはもちろん、精神面のケアをしてもらえたわけでもない。四大大会を連覇してすでに世界の頂点に上り詰めた大坂になにより必要なのは、自分にはしっかりとしたコーチが付いているという事実かもしれない。
新コーチは元世界ランク1位のビーナス・ウィリアムズのヒッティングパートナーを務めた腕っこき。試合を重ねるごとにそのコミュニケーションは濃いものになっていくだろうし、強力な後ろ盾ができた事実は今後に向けてプラスに作用するに違いない。試合後の大坂が落ち込んでいなかったのも納得だ。