若手を手玉に23勝目 40歳・李知姫“熟女スイング”のヒミツ
「李の脱力スイングの勝利と言えるでしょう。トップからダウンの切り返しでうまく力が抜けています。だから手の位置が右肩に上がって、ダウンスイングはアドレス時のシャフトの角度に下りてくる。入射角が緩やかになり、スピンコントロールが安定します。さらに彼女が使うオノフのアイアンにはバウンスがついており、ソールが滑りやすく、ダフリやザックリのミスがなくヘッドの抜けがいい。フィニッシュまで振り切れるのでヘッドスピードも減速しないから、飛ばそうと力む必要がないのです」
一方、若い女子プロはトップからの切り返しで力が抜けていない。力みからヘッドが鋭角に下りて、スピンがかかり過ぎて吹き上がって飛ばなかったり、ヘッドがかぶって飛びすぎてしまうなどタテの距離感に狂いが出ていたという。
「40歳の李がスイングに力感がなくても飛ばすテクニックを身に付けたのは、体に負担が少なく、長く戦える意味でも大きい。まだまだ勝ち星を積み上げるでしょう」(小暮プロ)
李は01年から18年連続で賞金シードをキープし、生涯獲得賞金11億8020万円は不動裕理(13億6322万円)に次ぐランク2位だ。「30勝を目標にする」と40歳での勝利に自信をつけて、まだまだガッポリ稼ぐつもりだ。