マドリード3回戦進出も…錦織圭またも競り合いで体力消耗
テニスの錦織圭(29=世界ランク7位)は、競り勝ちか競り負けが圧倒的に多い。
身上は多彩なショットと粘り強さ。どんな相手だろうとストローク勝負という戦い方は変わらないから、試合はかなりの確率でもつれる。そうやって初戦からスタミナを消費するだけに、トーナメントになると勝ち切れない。
2014年全米準優勝、16年リオ五輪は日本テニス界96年ぶりとなる銅メダルを獲得したが、強豪揃いの大きな大会は2位が精いっぱい。これまでツアーで挙げた12勝は、すべて500シリーズ以下。グランドスラムはもちろん、マスターズ1000も未勝利だ。
相手を圧倒する強力なサーブさえあれば、こうはならない。スタミナを温存して上位までいけるが、だからといって、いまから破壊力あるサーブを身に付けろというのも無理な注文。そうやって万年銀メダルのまま、今年12月には体力的に下り坂になる30歳の大台を迎える。
その錦織は日本時間8日、マドリード・オープンでデリエン(25=ボリビア)を2―0で下して3回戦に進出した。とはいえ世界ランク109位の新鋭相手に7―5、7―5の競り勝ち。「彼のプレーも良かったのであきらめずにやった。これから少しずつレベルを上げていけたらいい」とは試合後の本人だが、初戦からもたついている錦織が今回のマスターズ1000を制すると思っている専門家はほとんどいない。