大船渡・佐々木朗希の“手抜き”投法にプロスカウトやきもき
「リミッターを外した姿を早く見たいんです」
セ球団のスカウトが苦笑いを浮かべてこう言う。
大船渡高の最速163キロ右腕・佐々木朗希(3年)のことだ。
去る30日、由利(秋田)との練習試合に先発。3回51球を投じ、3安打無失点に抑えた。ラストの51球目にこの日最速となる153キロをマークした新時代の怪物候補は、「思うところに投げられ、変化球も操れた」と、7月15日に迎える夏の県大会初戦(遠野緑峰)に向け、手応えを掴んだ様子だった。
この佐々木を巡っては、すでに日本ハムが1位指名を公言。その一方で冒頭のスカウトは、「この試合、150キロを超えた直球はわずか5球。全力投球ではなく、力を抑えて投げるところを見ても、評価する上で参考にならないのです」と、こう続ける。
「佐々木が高い評価を得たのは、3月31日に作新学院との練習試合で3回を投げ、最速156キロをマークするなど直球の平均球速が150キロを超えたことに加え、4月のU18合宿で163キロを投じたことです。しかし、4月中旬に医師から、『球速に骨や靱帯、関節などが耐え得る大人の体ではない』と診断されてからは投球の強度をセーブしている。1カ月前の佐久長聖との練習試合(6月2日)では、毎回の13三振を奪い、4失点、149球で完投しましたが、直球の平均球速は150キロに満たなかったのです」