大船渡・佐々木朗希の“手抜き”投法にプロスカウトやきもき
■あくまで体調ありきの投球
ただ、スカウトたちの思惑通りにコトが運ぶ可能性は低い。
同校の国保監督は、報道陣の取材に対し、「必要なときが来れば」と全力投球させる用意があることを明かした一方、「体のこともある」と慎重な姿勢を崩していない。地元マスコミ関係者がこう言う。
「佐々木も国保監督も、甲子園出場の夢を抱いていますが、監督はあくまで、佐々木の体調を優先させるつもりです。2年夏の県大会は初戦に完投勝利を挙げたものの、続く2戦目は登板せず敗退。続く秋は初戦と2戦目に連投(計16イニング)するなど4試合で完投したものの、最後の3位決定戦は股関節などに痛みが出て、登板を回避した。今年は163キロを投げた反動か、医師に大人の体ではないとクギを刺されて一層、佐々木の体に配慮するようになった。登板数を減らし、他の投手の育成を重視したため、佐々木が連投したのはわずか2回。最多投球数は2日間で162球。最速はその両日とも140キロ中盤でした。6月23日にはマスコミ非公開で水沢工と練習試合を行うなど、着々と準備を進めているとはいえ、佐々木の故障防止を最優先に考えるというなら、全力投球の解禁はおろか、連投の際もこれまで通り、投球強度を落として臨むでしょう」