レイズ出身のフロントや首脳陣がメジャーで大人気の理由
今季開幕時のチーム総年俸は29位。メジャーで2番目にカネのないチームゆえに、大枚をはたいてスター選手の獲得に動くことはできない。
データを生かしたスカウト陣がドラフトで有望株を獲得、選手をこれまたデータ活用によって育成する。そうやって主力に成長した選手を交換トレードで放出、見返りに獲得した若手有望株をデータによって育てる――これを繰り返すことでチーム力をつけてきた。
今季からツインズを指揮するバルデリ監督はそのような土壌から生まれた指揮官なのだ。
レイズが初めてワールドシリーズに進出したのは08年。この時のチーム編成担当者はアンドリュー・フリードマン氏だった。限られた予算の中で同地区のヤンキースやレッドソックスと同等に戦えるチームをつくり上げた同氏は現在、メジャーでトップとも言える大きな予算を持つドジャースの同職についている。当時の監督は極端な守備シフトや、選手の複数ポジション制を奨励したジョー・マドン氏だ。彼も今はメジャーでトップ3に入る資金力をもつカブスの監督だ。彼の下で長年ベンチコーチをしていたデーブ・マルティネス氏は、現在ナショナルズの監督を務めている。