海外FA行使の秋山に「4年20億円」を提示する西武のリスク
猛追も及ばなかった。
31日、プレミア12の強化試合で日本代表は先発の巨人・山口がカナダ打線につかまり、2回6失点の炎上。日本は中盤から後半にかけて反撃を試みるも、1点差の5―6で敗れた。
この試合に「1番中堅」でスタメン出場したのが西武の秋山翔吾(31)だ。五回の守備から交代し、遊ゴロと死球で無安打に終わった。秋山(今季年俸2億3500万円)は29日に海外FA権の行使を表明。残留を求める球団は4年総額20億円超を提示した。
西武にとって、3年連続最多安打の切り込み隊長は欠かせぬ存在。流出による戦力ダウンは、昨オフに楽天に移籍した浅村の比ではない。破格の条件を提示したのも納得だが、仮に残留なら大型契約に“付き物”のリスクを抱えることになる。
前例はある。2013年オフ、主砲の中村と4年最大20億円で契約を結んだ。14、15年は活躍したが、ケガが多く、16年は21本塁打、打率・238、17年は27本、・217。とても年俸に見合う働きではなかった。
他球団を見渡せば、06年から7年最大45億円のソフトバンク・松中、12年から4年総額20億円の巨人・杉内ら、期待通りの活躍ができなかった選手は多い。直近では阪神を退団した鳥谷がそうだ。14年オフに海外FA権を行使。メジャー移籍はかなわず、5年総額20億円で残留したが、晩年は打撃で精彩を欠き、今季は打率・207、0本塁打、4打点。いずれもキャリア最低の数字で、球団の“不良債権”と化した。