侍J快勝も…五輪で最も警戒すべきは“国策野球”のメキシコ
「今永が強力打線を1安打に抑え、中継ぎも含め素晴らしい投球だった。打線も先制ができ、ジャパンの流れになり、日本らしい勝ち方ができた」
13日、メキシコ戦に勝利した侍ジャパンの稲葉監督は、こう言って安堵の表情を浮かべた。
日本にとって正念場の試合だった。前日の米国戦に敗れ、この日迎えたメキシコは1次ラウンドから6連勝と快進撃を続けていた。試合前、代表関係者はこう言っていた。
「メキシコは世界ランク6位。前回大会ではプロとアマの間で内紛が起き、出場辞退する寸前までいったチームだったが、今はプロアマが一体になり、日本と同様に世代別のナショナルチームを創設するなど、国として野球に力を入れている。東京五輪のアメリカ大陸枠を獲得するため、この大会でのモチベーションは高い。かなり手ごわいチームだ」
実際にメキシコは、プレミア12の米大陸予選を主催するだけでなく、来年はU23W杯、U15W杯を招致、開催することが決まっている。
「実は、WBSC(世界野球ソフトボール連盟)主催の国際大会は放映権料だけでなく、チケット収入もほとんどが大会運営費としてWBSCに持っていかれる。開催国は赤字になる仕組みになっているのです。1年強で3大会も開催するということは、国家の出資は必要不可欠。メキシコはWBSCが普及に力を入れている『ベースボール5』のW杯初開催も狙っている。ロペス・オブラドール大統領も野球の大ファンです」(放送関係者)