楽天2位・黒川史陽 センバツ制覇の父から受けた英才教育
「投手の配球や状況に合わせた打撃を考えさせるようにしました。自分自身の経験も踏まえて、投手や捕手の心理まで分析するなど、専門的なことにまで踏み込んだ。当時は難しかったでしょうけど、しっかりと考えてプレーする下地はできたと思います」(洋行さん)
黒川は智弁和歌山高では2年時に、当初の二塁から遊撃にコンバートされても、ソツなくこなした。
「遊撃手の動き方などは脳にしみ込んでいたのかもしれません。史陽に限らず、息子たちには『おまえら3人は本当にすごい』と、とにかく持ち上げてきた。打者ならチャンスに強く、投手ならピンチの場面で抑えられるように“洗脳”してきたことも、今につながっているのかもしれません」(洋行さん)
洋行さんは2013年を最後にセガサミーのコーチを退任し、地元の奈良県に戻って室内バッティングセンター「王寺ドームスタジアム」を開業。施設のオーナーの依頼を引き受けたもので、建物の建設費など初期費用はかからず、月々の賃料を支払っている。野球教室も開いており、現在は小、中、高合わせて約150人の生徒を抱える。これまで、智弁和歌山、履正社、天理といった名門野球部に進学した教え子もいるという。