受賞の楽天・浅村も首捻る“ゴールデン・グラブ”の存在価値
果たして壇上に並んだ選手は皆、賞にふさわしかったか。
28日に行われた第48回三井ゴールデン・グラブ賞の授賞式。明らかに守備より打撃で評価された選手がいるのも、毎年恒例である。そのひとりが、パの二塁部門で初受賞の楽天の浅村(29)だ。
自身でも疑問に思ったのか、壇上では、
「自分とは縁がない賞と思っていた。まさか、取れるとは思っていなかったのでうれしい」
と、ホンネを吐露した。
浅村の守備率はリーグトップの.989でも、守備範囲は広くない。守備範囲の指標を示すUZRでは、パのトップはロッテ・中村奨。次点が西武・外崎だ。浅村は7失策と外崎の15個、中村の9個より少ないが、守備範囲が広い選手ほど、ギリギリで打球に追いついて失策になるケースも多い。浅村は他の二塁手なら捕れたであろう左右の打球を捕れず、ヒットにしたことは何度もある。
かつて日本ハム時代に同賞を受賞したダルビッシュ(カブス)は常々、「守備なら自分より涌井の方が上」と話していた。ただでさえ、守備は打球判断、肩の強さ、範囲の広さ、グラブさばきなど、考慮すべき点はいくつもあるので、評価は難しいだろう。