四大陸直前に大きな賭け 羽生結弦“勝利への執念”と舞台裏

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 そんな羽生が苦しみ抜いて出した結論が、自らを栄光に導いてくれた平昌五輪のプログラムへの回帰だった。

「平昌五輪のプログラムに戻した理由は大まかに言って2つあります。ひとつは羽生の宿命のライバルであるネイサン・チェン選手(20)が持つ335.30という世界最高スコアにいかにして近付くか。それには平昌五輪のプログラムがベストと判断したのでしょう。もうひとつ、今大会のFPでは3種類4本の4回転ジャンプに挑むわけですが、失敗は絶対に許されません。そのため、敢えてミスが出にくい構成のプログラムに変更したわけです」(前出・クラブ関係者)

 世界選手権の出場がすでに決まっている羽生が今大会に出場したのは、3月の世界選手権までに変更したプログラムの感触をつかむ意図も垣間見える。前出のメンバーは「レジェンドは恥も外聞も捨てて世界選手権の金メダルだけを狙いに来たのだろう」と代弁した。

■土壇場での変更が与えた衝撃

 羽生はプログラムの変更を決断すると、すぐに同じトロントに住む『SEIMEI』の振付師であるシェイ=リン・ボーン氏にコンタクトを取った。今季からルール改正で演技時間が短縮されたため、平昌五輪の時より演技時間が30秒短い新しい振り付けを依頼するためだ。

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