拙いコロナ対応 外国人選手の東京五輪ボイコットに現実味
東京五輪招致でも世界に向けて「ウソ」
安倍首相には「前科」がある。東京五輪招致の際、原発事故の汚染水の問題が解決していない最中に、「福島は制御しています。私が保証します」と世界に向けて平然と嘘をついた。今回も国民が未曽有の危機に直面しているのに正面から向き合わず、加藤厚労大臣に丸投げだ。こんな首相なら五輪開催を強行するため、終息宣言の「前倒し」までやりかねないのではないか。
ビジネス評論家の菅野宏三氏もこう語る。
「東京五輪の経済効果は30兆円ともいわれている。中止になった時の影響を考えると恐ろしくなる。政治家の危機感は私の比ではないはずです。ところが、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を小泉進次郎環境相、森雅子法相、萩生田光一文科相らが後援会の新年会などで欠席した。危機的状況にある日本で、政治家はどう動いているのか世界は見ています。今回の杜撰な対応で日本という国に対する考えを改めた国や人は多いのではないか」
■広がるウイルスの危険と日本への不信感
政治家だけでない。東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)は2月に入り、海外メディアが東京五輪の中止などに言及するようになると、「大会は予定通り」と語った。
「それを英デイリーテレグラフ紙は、『子供のようだ=childlike』と報じた。私は根拠もなく、単にやる、やると言っている『駄々っ子』と読んだ。東京五輪の開催については世界が懸念している。ならば、『予定通りやります』ではなく、『新型コロナウイルスの感染は今も広がっています。心配するアスリートは世界にたくさんいるでしょう。組織委員会は選手の安全のためにこんなことを考えています』と具体策を示さなければ何の意味もない。1980年のモスクワ五輪は東西冷戦下で、政治的な問題から日本は米国に追随してボイコットした。今回は仮に開催が決まったとしても日本に対する不信感からボイコットする国が出てくるのではないか」(前出・津田氏)
2月19、21日に行われる予定だった西武対台湾・統一の交流試合は、新型コロナウイルスの影響を理由に先方から「中止したい」と、“ドタキャン”された。サッカーU―23日本代表と親善試合(3月27日京都)が組まれていた南アフリカの協会も同じ理由で対戦を拒否、選手の派遣を取りやめる意向を示している。女子サッカーU―20の日本代表対ドイツ戦(埼玉)も中止が決定。「危ない、信用できない」というレッテルを貼られた国なら、この流れは東京五輪まで続くだろう。
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