スト決行も?大谷翔平の「二刀流」復活は審判のご機嫌次第
投打の二刀流への復帰を目指すエンゼルス大谷翔平(25)の障壁になるかもしれない。審判による職務放棄で、今季は開幕を迎えられない可能性が浮上しているからだ。
今季は通常の162試合から、大幅に試合数が減るため、MLBでは審判の給与を35%削減することを検討しているという。4月30日(日本時間5月1日)に複数の米メディアが報じたところによれば、MLBは近日中にも審判側と話し合い、正式に賃金カットを通告する。
審判の給料は勤続年数や能力によって差があり、約4630万~1180万円。手取りが大幅に減るアンパイヤが少なくないため、反発を招くのは必至だ。審判も労働組合に加入しており、最悪の場合はストライキに発展しかねないと見られる。
MLBでは過去に4度、ストが決行されたものの、いずれも選手の待遇改善を求めてのものだった。経営者側と選手による労使交渉のもつれから労働争議に発展したが、審判によるスト決行となれば、前代未聞の事態である。
今季、マイナーでロボット審判を導入し、将来的にはメジャーでもジャッジの機械化を予定している。ロボット審判はテスト段階に過ぎず、生身の審判が裁かない限り、試合を進行するのは不可能なのが現状だ。開幕の見通しが立ち、選手がコンディションを回復しても、肝心のアンパイヤ不在ではレギュラーシーズンは実施できない。
MLBではコロナ禍による収益悪化を受けて、各球団の選手、監督、フロントはもちろん、コミッショナー、職員らが報酬減額を受け入れた。審判だけが権利を強硬に主張しても、ファンの支持は得られそうにないが、大谷の二刀流復帰はアンパイヤの決断にも影響されそうだ。